●2012年訪問時の酒蔵写真集
「白露垂珠」醸造元 竹の露合資会社。
出羽山脈の山々に囲まれたこの蔵は、雪化粧を施した冬の季節がよく似合う。
竹の露の代表社員、相沢政男さん。
夏は自社田に入り自ら酒米を育て、冬は蔵に入り、蔵人と共に酒造りに取り組んでいる。
写真の大きな機械は連続蒸米機。
その横で、手洗いでの洗米の準備が慌ただしく行なわれていた。
洗米のワンシーン。
吸水させた米をグラム単位で計量し、理想の原料米を追求する。
酒母室。
仕込み最盛期を迎え、大小多くの酒母タンクが所狭しと並んでいる。
写真右の方は、白露垂珠の本木勝美杜氏。
白露垂珠を全国新酒鑑評会の金賞常連蔵に導いた実力者。
発酵中のもろみをすくい、自らの味覚で確認。
良い経過で発酵が進んでいるようで、表情も柔らかい。
厳寒期の酒蔵は、必要以上に温度が冷えて発酵が進まないことがある。
そこでタンクの底に行火(あんか)を入れて温めてやる。
手前のタンクは、その行火の光で明るくなっている。
賞状の数々。
全国新酒鑑評会をはじめ、近年では海外でも表彰を受けており、国内外で白露垂珠の評価は高い。
出羽富士の異名を持つ、鳥海山(ちょうかいざん)が快晴の空のもと、出迎えてくれた。
手前の平地は全て田畑で、ご覧のとおり一面の銀世界が広がる。
白露垂珠の自慢の仕込み水が出る井戸。
2001年から蔵で使用している水道水がダムの貯め水に変わることになり、水質が悪くなることを嫌った蔵元が井戸を掘って良質の地下水を求める。
掘り進めること300メートル超、超軟水の地下水源を掘り当てることに成功。現在の白露垂珠の酒造り欠かせない存在となっている。
一通り蔵の見学をさせていただき、最後に相沢さんと固い握手。
蔵訪問の後、夕食の席をセッティングしていただいた。
山形の郷土料理は全国的に淡白な傾向があり、白露垂珠の淡麗な味わいは、それらととても相性が良い。
首都圏では芳香で味がしっかり感じられる酒が好まれるが、白露垂珠は地元で愛される味わいだ。
相沢さんに「白露垂珠 初しぼり」を注ぐ佐野吾郎。
最後に笑顔で「乾杯」。
この酒は何度も飲んでいる馴染みの味だが、何度飲んでもうまいものはうまい。