《あなたの好みはどっち？今年の雄町は飲み比べが楽しい♪》

お米から造られている日本酒がなぜフルーティーな香りや華やかな香りがするのか。

気になったことはありますか？

これらの香りを生み出しているのはアルコール発酵に欠かせない酵母です。

酵母がアルコール発酵を行う際、アルコールや炭酸ガスの他にも色々な成分を造ります。

その中の代表的な物が香り成分、つまり吟醸香です。

吟醸香の中でも代表的な成分が2つあります。

それが、「カプロン酸エチル」と「酢酸イソアミル」

今回の「天明」の雄町はこの2種類の系統の酵母の飲み比べが楽しめます。

例年ですと、きき酒を行い、ブレンド比率を決めます。

ところが、それぞれ、個性がハッキリ出ていて出来が良い！

ブレンドするのは勿体無い！

だったらそれぞれ単体で出そう！

となった訳です。

これは絶対飲み比べがオススメ！

香りの特徴がハッキリと分かって楽しいです♪

また、生と火入れの違いもあります。

香りや生か火入れかの違いは完全に好みが分かれます。

あなたのお好みを探ってみて下さい。

もちろん、どっちも好きもアリです。

《カプロン酸系のうつくしま煌酵母の加水生》

福島県のオリジナル酵母は夢酵母だけではありません。

鑑評会の出品酒にも使用出来る香り高い吟醸用の酵母を開発して欲しいという現場の声に応える形で「うつくしま煌(きらめき)酵母が誕生しました。

「うつくしま煌酵母」はリンゴやイチゴに形容される「カプロン酸系」の酵母です。

スパッと華やかな香りが広がるお酒に仕上がります。

が、「天明」がこの酵母を使うと華やか過ぎず、とてもバランスが良い。

これも「天明」の魅力の1つです。

加水することでアルコール感が和らぎ、生ということもあって雄町のぽっちゃり感が見事に表現されています。

これも実に面白い！

(文章：金巻 忍)