《一度は封印した山田錦に再チャレンジ》

「賀茂金秀」は2010年より酒造設計全体を見直し、自らが得意とする原料米である雄町と千本錦を主体とした酒造りを行っています。

これにより一度は山田錦を封印する決意を固めた金光 秀起蔵元杜氏でしたが、酒造りに携わる者にとっては山田錦を知らずしてお酒は語れない。

また、山田錦を知ることで雄町や千本錦の良い所も再発見出来るのではと考え、一度は封印した山田錦の酒造りに毎年タンク1本だけ再チャレンジしています。

それがこの商品「賀茂金秀　純米吟醸　山田錦」です。

《広島県造賀産のこだわり山田錦で造った、王道の一品》

この商品のラベルを見ると「金光酒造」の蔵の写真の横に書かれた「特別栽培米　造賀山田錦」の文字が目に留まります。

「造賀(ぞうか)」とは東広島市西条地区から北に広がる地域で、この地区で造られた山田錦の一部は兵庫特A地区の山田錦にも匹敵すると言われており、古くから稲作が盛んなことで知られています。

「賀茂金秀」はこの造賀地区で減農薬、減化学肥料で栽培された「こだわり米」を造っている農家さんの山田錦を手に入れ、山田錦での酒造りに再チャレンジしました。

華やかできれいな吟醸香に「賀茂金秀」らしい爽やかで軽快な甘さがとても飲みやすい酒。

コクや酸味が静かに舌の上に漂い、飲みやすく控えめな味わいなのに物足り無さを感じない、適度な存在感があります。

「賀茂金秀」らしい優しい味わいの酒ですが、レギュラー商品の「純米吟醸　雄町」とは異なり、こちらは甘味、旨味の質感に引き締まったものが感じられ、筋肉質なイメージを受けました。

料理との相性も幅広く、日本料理に限らずあらゆるジャンルの料理と合わせられる実力を持っています。