春の声を聞く頃になると、多くの酒蔵は「甑倒し(こしきたおし)」と呼ばれる最後の蒸しを終え、ラストスパートに差し掛かります。

酒蔵が最後の追い込みで気合いを入れる一方、巷では梅や桜の花が咲き始め、心を穏やかにさせる暖かい陽気に包まれます。

このお酒は、そんな春の陽気のような酒質を目指して設計されました。

酵母は高い吟醸香を作り出す1801号と、鑑評会出品酒で使われる9号酵母を使用。また、「石鎚」は手作りで行う小仕込みの限定品が多いのですが、今回の「春の酒」は大吟醸酒よりさらに小さい仕込みで造った、少数限定品です。

リンゴのような甘く爽やかな香りと、ソフトな米の旨味が広がります。

引き締まった酸味がキレの良い後味へと導き、とても飲みやすい口当たりに仕上げられています。

快晴の日に、梅や桜が咲き誇る枝の下でこのお酒を飲んでいると、心地良い酔いと陽気に誘われて、気持ち良く「うたた寝」してしまいそうです。

大人数でわいわい楽しむお花見も良いものですが、1人や2人でゆっくり「春」を楽しみたい時にピッタリのお酒です。