中野BC株式会社(なかのびーしー)
●創業者は元大工見習い!スタートは醤油蔵!
「中野BC」の歴史を紐解いてみると、とにかく興味深い!
創業者の中野利生(なかのとしお)さんは20歳まで大工の見習いをされていました。
利生さんの子供の頃からの夢。
それは、酒蔵を経営してお金持ちになること。
小学校の通学路にあった数軒の酒蔵はどこも裕福だったのだとか。
豊かな生活への憧れが「中野BC」の原点なのです。
利生さんの起業の第一歩は1932年に創業された「中野醤油店」
いきなり酒蔵では無く、まずは醤油蔵として、自宅に装置を作り、リヤカーで売り歩く所からのスタート。
ここで利生さんのアイデアと経験がモノを言います。
「大豆蒸熟法」と呼ばれる、当時、他社に類を見ない独自製法で品質の向上、合理化に成功。
更に老舗の醤油蔵に対抗すべく、濃口醤油では無く、関西で初めて薄口醤油を製造。
これにより、和歌山県163蔵中、3位にまで急成長しました。
●「工夫に勝るものはなし」醤油蔵から焼酎蔵へ。
醤油蔵としてこれだけ成功を収めていても利生さんの酒蔵への憧れは変わりません。
醤油販売で貯めたお金を元に全国の廃業した酒蔵から製造免許を買いに回られます。
しかし、戦争で原料調達が困難になることを速やかに察知。
更に、日本酒では無く焼酎ブームが来ると確信した利生さんは現在の所在地、海南市藤白に「中野醸造工場」を設立。
甲類焼酎の「富士白(ふじしろ)」の製造が始まります。
ここでも元大工の経験が生きます。
純度の高い焼酎を造るにはより高い蒸留塔の建設が必要不可欠。
そこで、利生さんは「工夫に勝るものはなし」と、大工の経験を生かし、自ら蒸留塔を設計しました。
当時の建築基準を遥かに超える高さの塔だったそうですが、特別に認可を取得することに成功されます。
そして、「富士白」は大ヒット。
アッと言う間に「中野醸造工場」は和歌山県でトップの焼酎蔵に成長。
やがて、焼酎の製造に専念すべく、醤油蔵は廃業されることになりました。
●子供の頃からの夢が実現!日本酒「長久」の誕生!
醤油蔵から焼酎蔵へと転換した「中野醸造工場」ですが、地元の方からの強い要請で梅ワインを製品化。
梅ワインを中心とした甘味果実酒のブームを先取りし、早くから甘味果実酒の分野にも着手します。
その間も全国を駆け回り、製造免許をかき集め、1958年、子供の頃からの念願だった酒造りを開始。
ようやく誕生した酒の名前は「長久(ちょうきゅう)」
長く久しく愛される酒にという思いを込めて名付けられました。
清酒造りが順調に進んだのを機に社名を「中野酒造株式会社」に変更。
やがて、「長久」は高品質な酒としての認知が高まり、県内一の出荷量を誇るにまで増産。
「中野BC」と言えば、梅酒・リキュールで特に有名な蔵元ですが、その梅酒の製造が始まったのも丁度この頃です。
●アイデア・工夫・先見の明が数々のヒット商品を生む!
2代目の幸生(ゆきお)さんの代になると蔵の規模は更に拡大。
昭和から平成に変わり、酒類の製造だけではなく、技術研究に着手すべく、1990年に「食品科学研究所」を設立しました。
機能性食品の開発や地元の資源を有効活用する医薬中間体メーカーとしての役割も担うなど幅広い分野で活躍。
そして、2002年、中野酒造株式会社・富士食研株式会社・紀州ワイン株式会社の3社を合併し、「中野BC株式会社」が誕生しました。
現在の3代目蔵元、幸治(こうじ)さんは大手酒造メーカーでの勤務や経営の勉強を積み重ねた後、2005年に「中野BC」に入社。
大きくなり過ぎた仕込みをコンパクトにし、高品質な酒を目指すべく自ら杜氏として酒造りにも携わられました。
やがて、特定名称酒の比率を上げ、ピーク時には1万石を超えていた製造量を3000石にまで縮小。
その後は蔵元業に専念し、現在は能登杜氏の武田博文さんによって米の旨味を感じつつ、キレの良い酒を目指し、酒造りが行われています。
さて、今回、まず弊社が取扱いを開始するのがクラフトジンを中心としたスピリッツ。
偶然飲んだクラフトジンの和歌山の魅力が満ち溢れた美味しさに惹かれ、今回の取扱いに至りました。
クラフトジンは各地の特色を生かしたスピリッツ。
どこか地酒に通じる部分を感じています。
和歌山の自然の恵みを長年の研究で培った技術で素晴らしいスピリッツに仕上げられています。
アイデアと工夫、先見の明が生んだ「中野BC」の酒の数々。
まずはスピリッツから皆様にご紹介させて頂きます。
(文章:金巻 忍)
各種メディアの取材には喜んでご協力させていただきます。
取材のご依頼は「お問い合せフォーム」から。
またはお電話(072-840-2920)から。
地酒.COM 佐野屋は話題性のある酒蔵の情報をご提供いたします。メディアの皆様の取材にご協力させていただきます。
2024年5月
●「全国新酒鑑評会」で入賞!
中野BCは2024年5月「令5酒造年度全国新酒鑑評会」にて入賞しました。
2022年 4月
●「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2022」で大会推奨酒に!
2022年4月24日から27日の4日間、ロンドンでにおいて世界最大規模のワイン品評会「インターナショナルワインチャレンジ2022」のSAKE部門の審査が執り行われました。
その結果、純米吟醸の部において「純米吟醸 超久 南阿蘇村産自然栽培 山田錦」がCOMMENDED(大会推奨酒)に選ばれました。
2020年8月
●「KURA MASTER 2020」にて金賞受賞!
「KURA MASTER」とはフランスで2017年から開催された日本酒のコンクール(品評会)です。
2020年8月31日、パリ市内で開催された「第4回KURA MASTERコンクール」は4名のMOF(フランス国家最高優秀職人章)ソムリエを含む、トップソムリエら51名の審査員が参加。
824銘柄の中から純米大吟醸酒部門において「純米大吟醸 超久 南阿蘇村産自然栽培 山田錦」が金賞を受賞しました。
2020年 5月
●「全国新酒鑑評会」で入賞!
中野BCは2020年5月「令和元酒造年度全国新酒鑑評会」にて「紀伊国屋文左衛門大吟醸」が入賞しました。
2020年度の全国新酒鑑評会は新型コロナウィルス感染症拡大に伴う対応として、本来執り行われるはずの結審は中止となりました。予審の結果をもって入賞酒を決定し、金賞酒はされていません。
2019年 11月
●HK IWSCにて銀賞受賞!
2019年11月、「第11回香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(HK IWSC)」のフルーツ・スピリッツ部門において「富士白蒸留所 和製スピリッツ 香雪 KAYUKI」は銀賞、ジン・コンテンポライー・スタイル部門において「富士白蒸留所 和製クラフトジン 香立 KODACHI」は銀賞を受賞しました。
「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(HK IWSC)」とはアジア最大級の国際コンクール。審査員のほとんどがアジア出身者やアジアを拠点に活動するメンバーで構成されています。
2019年 8月
●IWSCにて金、銀、銅賞受賞!
毎年イギリスで開催される「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」。
「富士白蒸留所 和製クラフトジン 槙 KOZUE」は2018年、ロンドン・ドライ・ジン部門において銅賞を受賞。
また2019年はジン・コンテンポラリー・スタイル部門において同アイテムが金賞を受賞、「富士白蒸留所 和製スピリッツ 香雪 KAYUKI」は銀賞を受賞しました。しました。
「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」とは酒類の品質向上と市場拡大に寄与することを目的に1969年創設。世界3大酒類コンテストの一つと言われています。会長は、ロバート・モンダヴィをはじめとした著名人が務めています。
2019年 3月
●「リヨン・インターナショナルコンクール」にて連続金賞受賞!
「リヨン・インターナショナルコンクール」とは、フランスで行われるワインを主とする権威あるコンクール。
「世界一の美食の街」とも称されるフランス第2の都市リヨンにおいて著名なフランス料理のシェフの協会である「レ・トッケ・ブランシェ」と「リヨン・ソムリエ協会」が後援、審査をします。
2018年開催の「第8回リヨン・インターナショナルコンクール」リキュール・スピリッツ部門において「富士白蒸留所 和製クラフトジン 槙 KOZUE」が金賞を受賞、引き続き2019年開催の「第9回リヨン・インターナショナルコンクール」リキュール・スピリッツ部門において「富士白蒸留所 和製スピリッツ 香雪 KAYUKI」が金賞を受賞しました。