皆様、こんにちは。
いつもお世話になっています。
佐野屋酒店の日本酒販売担当、金巻 忍(かなまき しのぶ)です。
6月25日、26日の2日間、香川県観音寺市にある川鶴酒造を訪問して来ましたのでご報告させて頂きます。
今回、私にとっては初の川鶴酒造訪問。
その目的は、
・今期から川鶴酒造が新体制になるのでご挨拶。
・平成27酒造年度呑み切り会への参加。
そして、
・自社栽培の山田錦の田植え
この田植えが今回のメインイベント!
初めて田植えにチャレンジして来ました。
では初日から順にレポートします。
まず、岡山駅までは新幹線。
岡山駅から観音寺駅までは予讃線しおかぜ9号、8000系アンパンマン列車に乗って瀬戸大橋を渡りました。
観音寺駅で私を待って下さっていたのは今回の専属ガイド藤岡美樹さん。
今期から川鶴酒造の醸造責任者に就任された方です。
初対面だったのですが、Facebookで事前にやりとりをしていたこともあって、すんなりとご対面。
まずは腹ごしらえということで、やっぱりうどん県ですからおうどんを食べに。
藤岡さんオススメのお店に案内して頂きました。
オススメが2軒あったとのことですが、そのうちの1軒はエビの大きい掻き揚げが有名なお店なんだとか。
当然両方案内して下さるものとばかり思っていたら、利き酒前ですから揚げ物はキツいかと思って、もう1つのお店にしますね、と。
そうなんです。
今回は観光では無く、仕事なんです。
食べようと思えば食べられましたけど…。
そして、目的のお店に到着。
藤岡さん曰く、ここのお店は裏メニューの釜かけがオススメなんだそう。
釜かけというのは、釜で茹でられたおうどんを水で締めずにそのまま丼に盛り、かけ出汁をかけられたものです。
おうどんが水で締められていないので、コシというよりはモチモチっとしたした食感が楽しめます。
藤岡さんから釜揚げと両方食べられますよね?と聞かれ、
もちろん!と即答。
では、釜かけの小と釜揚げの小…。
小!?
大が並の私にとっては衝撃でした!!
小って何玉なのかと思わず聞いてしまいましたよ。
1玉でした。
食べられますか?
藤岡さん、心配りが行き届いています♪
はい、全然問題無く。(大2杯でもたぶんいけました。)
この時はまだ遠慮してたんだなぁと今、思い返しています。
さて、おうどんのお味ですが、いりこの香り、甘味がたまりません♪
おうどんはモチモチ!
食べだしたら止まらない♪
前の日遅くまで飲んでたこともあってか、お出汁が染み渡りました。
おうどん屋さんを後にして、いよいよ蔵かと思ったら、市内観光ということで、銭型砂絵に案内して頂きました。
海岸手前の巨大な寛永通宝の砂絵を琴弾公園山頂の展望台から眺めます。
これで金運がアップするんですって!
近々宝くじ買ってみます!
展望台からはいりこで有名な伊吹島も見えます。
今回のガイドさんはかなりイケてて、車内でも次から次に流暢な説明が!
銭型砂絵の歴史や、伊吹島産のいりこがなぜ美味しいかなどなど。
とっても勉強になりました。
そして、ようやく川鶴酒造に到着。
蔵元の川人さんにご挨拶を済ませ、まずは蔵を案内して頂きました。
造りが終わっていますので蔵の中はヒッソリ。
麹室の製麹機の前で少しお話ししていたのですが、この装置は「雨後の月」の相原酒造と同じ物なんだそうです。
これが川鶴酒造の酒の美味しさの秘訣の1つなのかも知れません。
次に藤岡さんが自信タップリに見せて下さったのが酒を搾るヤブタ。
何と28BYからはヤブタが冷蔵の部屋に入ります!
これで、酒へのダメージは減り、よりクリアーな酒質になることでしょう!
楽しみにしていますよ♪
蔵の案内をして頂いた後は、初日のメイン、呑み切りです。
約40種類の酒を利き、コメントを記入して行きます。
幾つもの蔵の酒を利くのと違い、1つの蔵の酒を数多く利くのはとても難しい。
いい経験をさせて頂きましたし、勉強になりました。
自分なりに思うことを書かせて頂いたのですが、トップバッターだったこともあり、かなり緊張しました。
良い熟成している酒ありましたよ♪
夕方には藤岡さんに田野々地区の山田錦の田んぼを案内して頂きました。
川鶴酒造で使用されている山田錦は田野々地区の10軒の契約農家さんが栽培されています。
今回、10軒のうちの1軒の農家さんとご挨拶させて頂きました。
堀口竣哉さん。
何と中学3年生!
彼が米を栽培することになったのは、小学校5年生の時にそれまで田んぼを耕していた彼のお祖父さんが亡くなられたから。
田んぼを一度は手放すことも考えられたそうですが、孫の竣哉さんが後を継ぐことになりました。
そんな彼を周りの農家さんも支え、田野々地区の農家さんの絆はより深まったのだそうです。
堀口さんが栽培した山田錦は2015年は1等米。
2016年は特等米を目指して日々管理に励んでいらっしゃいます。
堀口さんと藤岡さんの会話を横で聞いていたのですが、専門用語が飛び交う飛び交う。
見た目は明らかに中学生なのに会話は立派なプロの農家さん!
私が小学生、中学生の時と比べて明らかにしっかりしていらっしゃいます。
堀口さんとお会い出来たことも今回私にとってとても大きな収穫となりました。
夜は川人さん、藤岡さん、営業の酒屋さん、熱海から来られた干物屋さんと懇親会。
これを読んで、あれ?って思われた方いらっしゃいません?
営業の酒屋さん?酒屋の営業さん?
実は川鶴酒造の営業さんが酒屋さん。
酒屋という苗字の営業さんなんです。
名前だけで掴めますよね(笑)
皆さんと地元の料理をつつきながら、トークもアテに川鶴を冷酒、お燗と飲み続けました♪
シメは骨付き鶏と讃岐くらうでぃ!
私はジョッキで注文しました!
ジョッキで飲むのが地元流!
次の日のことをすっかり忘れて盛り上がりました♪
さあ、いよいよ2日目。
初日と打って変わって良いお天気。
絶好の田植え日和。
いや、良過ぎました(笑)
早起きして、前日に用意して頂いた川鶴Tシャツを着ていざ出陣!
川鶴酒造では「酒造りは米作り」という企業理念の下、約18年前から蔵の前の自社田で山田錦を栽培されています。
米作りを通して、米のことを深く知り、農家さんの想いを感じ、酒造りに生かす。
川鶴酒造の皆さんを始め、酒販店、飲食店、地元の方々、地酒ファンなどなど、多くの方が毎年川鶴酒造に大集合!
汗をかき、日に焼けて、泥にまみれながら1本1本手で植えるんです。
ついに私の田植えデビューの瞬間が!
田植え靴を持っていない私は裸足で田んぼに入ります。
私が重いからではないと思いますが埋まる埋まる!
自分の担当する区分に着いたら苗の塊を片手に1本ずつ植えていきます。
真っ直ぐ縦横を揃えて植えないと風通しが悪くなったりして稲の生育に影響すると聞いていたのでかなり緊張しました。
それと聞いてはいましたが確かに腰に来ます!
皆で田植えをしましょう!っていうイベントは川鶴酒造だけではありません。
ただ、多くは少しだけ植えて後は懇親会ってパターンが多いそうなのですが、川鶴酒造の田植えはガッツリなことで有名なのだとか。
確かにキツかったです。
ですが、キツさの中に楽しさもあり、愛着が湧き、この米が酒になるのだと思うと嬉しくもありました。
そんなこんなで植え終わった後は手足を洗い、懇親会!
一緒に田植えをした皆さんと楽しいひとときを過ごしました。
ここでも出会いが。
蔵元の川人さんが関係者ということで私を紹介して下さったのですが、
前日にメールマガジンに今回の田植えのことを書いていたのを読んで下さっていた方から声を掛けて頂きました。
リアル店舗が無く、ネットだけの販売ということでどうしてもお客様とお会い出来る機会に恵まれません。
そんな中、今回のように私のメールマガジンを楽しみにして下さっている方と直接お会い出来たことはとても嬉しいですし、励みになりました。
今回、田植えを通して多くの方との出会いがあり、酒に携わる多くの方の想いに触れられたことが私にとってかけがえの無い財産になりました。
農家さんの想い、蔵人の想い、飲食店さんの想い、酒に関わる全ての方の想いを伝えて行きたいと強く思っています。
秋には稲刈りがあります。
そして、今回収穫された米で造られた酒は田植え、稲刈りに参加した酒販店限定で出荷されます。
きっと商品が届いた際は私が植えた米で出来た酒です!
と、うるさく言うことと思いますがどうかお許し下さい(笑)
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そして時は経ち、私が植えた米で造られた「Heart&Soul」がこちら!
川鶴 Heart & Soul (ハートアンドソウル)
https://www.jizake.com/c/sake/kawatsuru/Sake9133_720/