この日の蔵仕事は朝8時からスタート。
立ち昇る蒸気が、窓からの朝日に照らされていた。
笑四季酒造 竹島充修CEO。
蒸し上がった米の具合を「ひねりもち」で確認。
竹島さんに声をかけてもらって、店主も「ひねりもち」に挑戦。「ひねりもち」の目的と判断方法をレクチャーしてもらう。
この日の蒸し米は、今季新登場する純米酒の留仕込に使われるとのこと。
外硬内軟でよく締まった蒸し米のように思えた。
甑から米を掘り、放冷機に投入する。
留仕込ということもあり、この日は総量300kgを超える米。
その全てを人の手で掘り出す。
放冷機の中をじっと見る店主吾郎。
放冷機で冷やされた米の塩梅を確認する竹島CEO。
竹島さんは甑で米を掘り出すだけでなく、米の温度確認、仕込みタンクの確認など、さまざまなところに目を配っており、終始動き回っていた。
全ての米がタンクに送られ、この日の仕込み作業は終了。
放冷機の後片付けに、店主吾郎も「ささら」を借りてお手伝い。
作業が一段落して、蔵の中を案内していただいた。
先日仕込んだばかりの小さな酒母タンクで、香りや湧き具合を確認させてもらった。
麹室。
この日は残念ながら前室、奥室ともに麹はなかったが、整頓された麹室を見せていただいた。
槽場にて。
酒造りシーズンがピークになると、この部屋はしぼりたて新酒の甘い香りに包まれるのだろう。
笑四季の酒を語るうえで避けられないファクターの1つが「酵母」。
分析室で試料を確認するワンシーンを撮影させていただいた。
水口は江戸時代、東海道の宿場町として賑わった土地であり、笑四季酒造はかつての東海道沿いに蔵が立っている。
道脇には古い家屋がところどころ、今も残されている。
蔵の周りで、おそらく一番古い建物と聞く呉服店。
隣に立つ白壁の建物と併せて、この一角だけ歴史が止まっているかのような光景。
一通りの取材を終えて、昼食をご一緒することに。
竹島さんの案内で、滋賀県のB級グルメ「スヤキ」をいただいた。
スヤキとは麺、もやし、青ネギ、塩を炒めただけのシンプルな焼きそばで、味付けは各自の好みでソースや塩こしょう、七味などを入れて調整する。
実はこのスヤキ、全国ネットの某バラエティー番組でも取り上げられた、知る人ぞ知るご当地グルメ。
甲賀市は2004年に5つの市町村が合併して誕生したが、その1つに信楽焼で有名な信楽町も含まれる。
蔵から車で30分ほど移動すると、ご覧のような巨大なたぬきがあちこちに並ぶ、信楽ならではの光景が目に入ってくる。
たぬきの仲間に入れてもらった店主吾郎。「信楽ジャパン」結成の瞬間だ(笑)。

