信号の少ない県道を走っていくと、山間いに建つ獺祭の酒蔵が姿を見せる。
3年前に増築した白い新蔵が一際目を引く。
今やすっかり有名となった、旭酒造 桜井博志社長が笑顔で出迎えてくれた。
旭酒造 西田杜氏。
30代で杜氏の職に就き、獺祭の製造の全てを任されている。
蔵見学で作業中の現場を訪問。洗米作業で慌ただしい中だった。
写真は洗米した後の米の吸水具合を確認しているワンシーン。
洗米場には、磨き二割三分の原料米が用意されていた。
米の77%を削り落とし、残り23%まで磨き上げたこの米は、日本の精米技術の結晶と呼べる存在だ。
麹室。
一歩入ると想像を大きく上回る広さに驚かされた。
奥室では、間もなく出麹となる麹が並んでいた。
写真は旭酒造の桜井一宏常務。
麹の出来映えを確認。
仕込み中のもろみタンク。
このもろみは仕込みから3週間以上が経過して、表面に「地」と呼ばれる状態が形成されている。
数日後にはしぼりを迎える予定。
仕込み蔵には、足の高いタンクがズラリと並んでいる。
タンクの足下が低いと清掃が行き届かないため、高くしたとのこと。
衛生面を重視している酒蔵は多いが、設備面でもここまで整えている酒蔵はたいへん珍しい。
槽場汲みの説明で案内された部屋には、もろみの温度を記録したグラフが貼り出されていた。
こういう資料は通常公開することはないので、このようにオープンにされているのを見て驚いた。
仕込み蔵から車で15分ほど移動したところに、獺祭の精米所が構えている。
ズラリと並ぶ縦型精米機。
兵庫山田錦が山と積まれた圧巻の光景。
高級米に四方を囲まれ、驚きを隠せない吾郎。
蔵見学の最後に、桜井常務と固い握手。
互いに良きパートナーとして、親交を深めてきました。
余談になるが、槽場汲みの前日、県外の酒販店が集まって懇親会が開かれた。そのときのワンシーン。
桜井社長にお酌をしてもらい、吾郎感激。
懇親会の席では、できたばかりの槽場汲みもご用意していただいた。
期待を裏切らない完成度もさることながら、山口名物のふぐ料理との相性も抜群で、思わず顔がほころんだ。