「泡の出るワイン＝シャンパン」ではないことはだいぶん認知されてきました。

「シャンパン」は、フランスのシャンパーニュ地方で、法定品種、法定製造、法定熟成を経て造られた泡のワイン。

瓶内二次発酵という、大変手間のかかる製法で出来ていることに加え、有名銘柄などはファッションショーや映画祭、レースなどのイベントに使用されることも多く、プレステージ性の高いワインです。

とは言っても、不況と言われる世の中、他のスパークリングワインに比べてどうしても値段がはるシャンパンはちょっぴり分が悪いのも事実。

また、熟成感や複雑味を重視して造られたシャンパンの中には、ワイン初心者には素直に美味しく感じられない場合もあるんです。

でも、晴れやかな食卓にはやっぱりシャンパンが似合うもの。

そこで、是非お薦めしたいのがこの「ボゼール」。

お財布フレンドリー＆飲み手フレンドリーの楽しいシャンパンなのです！

輸入元制作のキャッチコピーが【卓越したクリア＆クリーンさが魅力のシャンパーニュ】。

私がこのワイナリーを気に入った理由を正に言い当てています。

透明感あふれるキラキラした生命感、伸びやかな躍動感のある、若々しい魅力がボゼールの持ち味です。

華やかな有名メゾンのシャンパンも素敵ですが、近年大きな注目を浴びているのは何と言ってもRM（レコルタン・マニュピュラン＝葡萄栽培から醸造／販売を行う生産者）。

ボゼールも大変コスパに優れた手作りシャンパンを生み出している魅力的なRMです。

===【輸入元資料より】

シャンパーニュ地方の南端（ブルゴーニュに隣接）、もっとも良質なピノ・ノワールを産するエリアの一つ、レ・リセイに位置する非常にコストパフォーマンスの高いRM。

総面積18haと比較的大きなドメーヌながら家族経営を続ける秀逸な生産者です。

2004年に建設された最新の醸造施設から造り出されるシャンパンは、ほとんどのキュヴェがピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワール。

非常にクリアで抜群の透明感のあるシャンパーニュです。

ボゼールでは、テロワールの個性を最大限に生かしたシャンパーニュ造りを行っています。

モットーは、徹底したクリーンさと生き生きした果実味の追求。

清潔な醸造所からは、ピュアなピノ・ノワールの味わいが楽しめる素晴らしいシャンパーニュが産まれます。

発酵にはステンレルスチール製の容器を使用。その後マロラクティック発酵（鋭い酸味のリンゴ酸を柔らかな酸味の乳酸に変化させる）を行います。

味わいに深みを出す為にリザーブワインを30％ブレンドしていますが、「長い熟成はフレッシュ感を減らすだけ」というこだわりで18ヶ月のみ瓶熟成させています。

当主ルネ・ボゼール氏は、ドメーヌの設立以来何年もの間、葡萄栽培から醸造過程の隅々迄徹底した管理を行うために一日も休まず働いてきました。

現在は、二人の息子がドメーヌに参画、父の志を継ぎ、こだわりのシャンパーニュ造りを行っています。

機械が大好きな当主は、最新式の醸造機器にこだわるだけでなく、昔の農機具やワインの醸造道具等を収集しており、自身のコレクションの展示室を計画中です。

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シャンパンというと、一般的には熟成の長さを品質の高さとする傾向がありますので、この生産者の考え方は少数派であるとは思います。

しかし、その熟成の短さはコスト削減にもつながり、手頃な価格に反映されているのです。

とは言っても、葡萄はリュット・レゾネ（減農薬農法）で栽培されており、原料へのこだわりが感じられます。

キュヴェに赤ワインをブレンドした、美しいサーモンピンクのロゼ。

まだ少し堅さのあるイチゴを連想するような瑞々しい果実感があります。

ブリュットのドサージュ※は7g/lなのに対し、このロゼは8g/lとちょっとだけ多いのですが、実際に飲み比べるとロゼのほうがややシャープな感じがします。

でも、ブリュット同様、フルーティーで親しみやすいシャンパンであることに変わりはありません。

美しい色の液体から立ち上る細かな泡は、見ているだけで幸せな気持ちになりますが、飲めばもっと幸せですよ！

乾杯から食中まで、飲み手も選ばず気軽に楽しませてくれます。

うんちくを語るより、楽しいパーティーが似合うニコニコ笑顔のシャンパンです。

※ドサージュ・・シャンパンの製造では、瓶の中で酵母が糖分を食べて二酸化炭素を発生させて泡を造ります。このため、糖分が無くなってしまうので、仕上げ（酵母を取り除いたあと）に味の調整のため糖分を加えます。これをドサージュといいます。（ドサージュをしないシャンパンもあります。）

(文章：佐野 雅子)