どの品種を飲んでも当たりしかないのがこのオーク・ファーム。

ロダイと聞くとステレオタイプに「濃厚ジンファンデル産地」と思っていた店主まーちゃん、その先入観を覆す美しきワインたちをご紹介させてください。

濃い赤紫。

ブルーベリーのような黒い実の濃厚な果実香に加え、ほのかにバニラやチョコレートのような甘やかな香り、胡椒のようなスパイシーなニュアンスも。

アタックからカベルネらしい少し固めの凝縮した完熟果実味が広がります。

しっかりしたタンニンとバランス良い量のきれいな酸。

力強さと骨格をしっかり感じ、またそれが無骨でなくエレガントなのが特長です。

ラズベリーのような赤い実の甘酸っぱいニュアンスもあるからでしょうか。

カベルネの王道的な強さと深みに加え、温もりも感じる1本。

ステーキ、ローストビーフ、ハンバーグ・・牛肉料理には間違いのない相棒です。

80％は自社畑からの葡萄。残り20%の葡萄ともにロダイ・ルールのもとで持続可能な農業が行われています。

収穫は朝に手摘み、選別。

温度コントロール付きのステンレスタンクにすぐに運び、低温浸漬。

酵母を加え発酵、定期的にパンプオーバー。

フレンチ・オークとアメリカン・オークの樽で15ヶ月間熟成、40％は新樽。

最後にプティ・ヴェルド、カベルネ・フラン、プチ・シラーを加え、ワインに複雑さや色、豊かさを加えています。

オーク・ファーム・ヴィンヤーズは、ロダイ北部のマカロミー川沿いに位置する家族経営のエステート・ワイナリーです。この土地は、元々ウィリアム・デヴリーズが1860年に購入した歴史的な農場。

1936年、現在のオーナーであるパネラ家がこの土地に移住し、2004年にオークファームを買い取ります。

第3世代農家であるダンは農業に常に情熱を注ぐと共にロダイの大きな可能性を探求し、2012年に60エーカーの葡萄畑を整備。有能な農業専門家チームを率いて、自らのワイン造りの多様なポートフォリオの構築に向けた土地の果実と厳選した葡萄を育てています。

SDGsの取り組みに加えて、オーガニックについて踏み込んだ内容の「ローダイ・ルール」の認証を受けています。

コンサルティング・ワインメーカーはフンボルト州立大学(カリフォルニア州)卒のチャド・ジョセフ。

2001年にロダイに来た後、職人技のような葡萄栽培とワイン造りでロダイの指導者の一人として頭角を現します。

2019年には、アシスタント・ワインメーカーとしてオークファームに貢献してきた北イタリア出身のマリリアがワインメーカーに昇格。より洗練された印象を持つワインを生み出しています。

(文章：佐野 雅子)