《山田錦一家の歴史が醸す美酒！ファミリーヒストリー！》

現在酒造りで使用されている酒造好適米は多くの人の手に育まれて来た血の歴史だと言っても過言ではありません。

酒米の王者と称される山田錦も短稈渡船(たんかんわたりぶね)と山田穂(やまだぼ)の交配によって誕生しました。

山田錦を父母に持つ後継品種も多く誕生しており、秋田県の酒造好適米、美郷錦(みさとにしき)も山田錦と美山錦を掛け合わせて開発された米です。

「まんさくの花」を造る秋田県横手市の「日の丸醸造」では山田錦と美山錦と美郷錦の3種類の米で1本の酒を造る「親子米仕立て」という人気商品があります。

この「親子米仕立て」の別バージョンが「FAMILY HISTORY(ファミリーヒストリー)」

山田錦と山田穂と(短稈渡船と同系統の)渡船2号を均等に使用して誕生した酒です。

同系統だけど同一では無いというこのややこしい問題。

何とか上手く説明出来無いか少し考えました。

(興味の無い方はスルーして下さって結構です。)

有名な競走馬で例えてみます。

歌手の北島三郎さんの所有馬として有名なキタサンブラック。

キタサンブラックのお父さんはブラックタイドという種牡馬です。

ブラックタイドの全兄弟(同じお父さん、お母さんから生まれた)が社会現象にもなった超有名な三冠馬、ディープインパクト。

ブラックタイド(短稈渡船)とキタサンブラック(山田錦)は親子ですが、同じお父さんとお母さんから生まれたとは言え、ディープインパクト(渡船2号)とは親子ではありません。

こんなイメージでしょうか。

「ファミリーヒストリー」に使用されている米は山田錦発祥の地、兵庫県多可郡多可町(たかぐんたかちょう)産。

「秋田村こと中町山田錦部会」によって栽培された米です。

「秋田村」とは秋田の蔵元に高品質な山田錦を届ける篤農家の方々が栽培された米、今回のコンセプトにピッタリではないでしょうか。

仕込まれた酒はまんさくの真骨頂、瓶燗火入れ、急冷、瓶貯蔵を経てようやくリリース。

派手過ぎず、地味では無い美しい香りを纏い、上品な中にふくよかさを感じる米の旨味が生きた、これぞまんさく！と言える美酒に仕上がっています。

米の歴史は血の歴史。

親子米仕立ての「FAMILY HISTORY(ファミリーヒストリー)」

是非、お試し下さい！

(文章：金巻 忍)